活性酸素の発生メカニズムと、その働きを紐解く

 人が動けば毒素がでる
人の細胞は歯や脳、または肝臓を除いて、約100日ですべてが入れ替わります。体内に60兆個ある人の細胞は、1日に3000億個を壊し、また新しく作りかえています。

 

そのペースは、あくまで健康的な生活をおくっている人のサイクルであり、高ストレス下に生活する現代人は、細胞の新陳代謝がとても速くなっています。細胞の新陳代謝が速まり過ぎると、細胞を造り変える際に「ミス」が起こる確率が高くなります。

 

この「ミス」が起こる原因の1つに、活性酸素の攻撃があります。活性酸素の攻撃は、細胞の中の遺伝子(DNA)をも傷つけてしまいます。

 

ここで、活性酸素について説明していきます。

 

私たちは酸素がないと生きていけません。食事は5日ほど食べなくても大丈夫ですが、呼吸は2分間停止しただけで死んでしまします。

 

酸素は絶対に不可欠なものです。しかし、この酸素を取り過ぎると健康を害してしまうということはあまり知られていません。

 

酸素は、空気中に約21%含まれています。「酸素の濃度を高くしてあげれば元気になるのでは?」と、思う人が多くいます。そこで、超未熟児で生まれてきた赤ちゃんを保育器にいれて、保育器の中の酸素濃度をあげて生命維持をはかります。

 

しかし、命は取り留めることができますが、未熟児網膜症という目が失明してしまう病気が合併する場合が多くあります。

 

他にも、食品を真空パックにいれて保存する場合には、酸素を抜いて保存します。鉄も酸素に直接触れないようにペンキをぬります。そのように、日常をみても、酸素と物質を触れさせないようにしていることが多くあります。

 

酸素は生きていく上では不可欠です。しかし、多過ぎる酸素は物質を変性させたり変質させたりします。

 

 酸素の原子構造は少し変わっています
酸素は、他の元素にはない特性を持っています。酸素は8個の電子の内、2個が他の元素のように「対」になっていません。この対になっていない2つの電子があることにより、酸素元素は「不安定な状態」であるといわれます。

 

酸素の電位のうち、対になっていない2個の電子は、自由に動きまわり、他の分子にくっついたり、電子を奪ったりしてしまいます。電子を奪われ不安定になった状態を酸化といいます。

 

特に、活発な動きをする不安定な酸素を「活性酸素」といいます。ようするに活性酸素の意味とは、酸素が元気であるという意味ではなく、身勝手な酸素電子の行動が「活性」していることからいわれています。

 

英語では、これをFree・Radicals(フリー・ラジカル)と表現しています。フリーとは「単身」でラジカルとは「過激」という意味です。

 

 活性酸素には種類ある
自動車の燃料を軽油にするかレギュラーにするか、またはハイオクにするかで、エンジンの燃焼率に違いがでます。そして、使用する燃料の種類によってマフラーからでる排気ガスの種類も変わります。

 

人も細胞内(ミトコンドリア)でエネルギーをつくったり、免疫が異物と戦ったり、または紫外線を多く浴び過ぎたりした場合にも、副産物として活性酸素ができます。この活性酸素は1種類ではなく、対処する内容に応じて体内で何種類もつくられます。

 

例えば、風邪を引いた際に「熱」がでます。37度ほどの微熱のときは、体内では弱い活性酸素を用いてウイルスに対応します。しかし、強いウイルスが体内に侵入してきた際は、弱い活性酸素から強い活性酸素へとチェンジして対応していきます。

 

この活性酸素は主に、4種類あるといわれています。それらをまとめてみます。

 

 @スーパーオキシド・ラジカル:
活性酸素の中で最も大量に発生するタイプで、体内では酸素から生成されるために、体内での発生そのものはどうしても避けることはできません。ストレスや過度な運動などを出来るだけ避け、発生量を減らすことが大切です。

 

 A過酸化水素:
この物質は、身近なところで使われています。それはオキシドールです。オキシドールとは過酸化水素であり、その毒性を生かして傷口の消毒や殺菌に使われます。この過酸化水素は、スーパーオキシド・ラジカルと水が反応して発生します。

 

また、白血球に属する顆粒球は、体内の異物をやっつける際に過酸化水素を利用しています。しかし、増えすぎた過酸化水素は細胞の遺伝子(DNA)にまで傷をつけてしまいます。

 

 B一重項酸素:
放射線や紫外線を浴びると体内で大量に発生します。この活性酸素は強い酸化力をもち、皮膚や目に障害を与えます。この作用を使い、癌細胞を縮小させる治療として放射線療法が有名です。

 

 Cヒドロキシラジカル:
「@」の過酸化水素が、体内の糖質やタンパク質や脂質などのあらゆる物質と反応し発生します。活性酸素のなかで最も酸化力が強いのがヒドロキシラジカルです。この作用は、細胞内の遺伝子(DNA)をひどく傷つけてしまうほど強力で、いわゆる「ガン」を誘発する物質といわれています。

 

上記したように、人は生活していく上で、活性酸素の発生を防ぐことはできません。しかし、人によっては発生した活性酸素を無毒化できる能力の強い人がいます。そのような人は、病気に罹りにくいです。

 

 活性酸素は体にとって敵か味方か
人がストレスを受けたり、大量の放射腺を浴びたり、多くの薬を服用したりした際に、体内では活性酸素が発生します。その活性酸素は、細菌などを攻撃して人の生命維持には欠かせません。しかし、増えすぎた活性酸素の攻撃は、正常な細胞まで傷をつけてしまいます。

 

例えば、熱がでるということは、風邪のウイルスに対して、免疫が発する活性酸素が攻撃しているからです。一般的に熱が上がると、解熱剤を飲ませます。しかし、その行為は、逆に活性酸素の働きを抑制させてしまい、風邪の症状が長引くことになります。

 

しかし、強い活性酸素が出来過ぎることは、良いことばかりではありません。高熱が続く時には、強い活性酸素で脳細胞が壊死する可能性が高まります。我々の先人は、そのことを知っていたのか「頭寒足熱」ということを実践し、頭部を冷やしていたのです。

 

 活性酸素が増え過ぎる条件
白血球が異物をやっつける武器は活性酸素です。また、抗がん剤も強力な活性酸素です。本来、活性酸素には異物などから体を守る働きがあります。しかし、逆に活性酸素が増え過ぎると、正常な細胞まで攻撃してしまい、病気や老化の原因になります。

 

ここで、活性酸素が大量に発生する原因をまとめてみます。

 

 @ストレスが溜まったとき、または開放されたとき

 

 A炎症がおこった際に、白血球が感染源に対し攻撃したとき

 

 B激しい運動をしたとき

 

 C農薬・除草剤または薬物が体内に入ったとき

 

 D紫外線を長時間浴びた時

 

 E手術で、止血していた場所に血液が流れ込んだとき(再還流)

 

 Fレントゲン・CT・MRIなどの検査をしたとき

 

 G抗ガン剤を投与されたとき

 

 H電磁波・超音波にさらされたとき(長時間のパソコンの作業など)

 

上記以外にも、身近なところでは、煙草の吸い過ぎやお酒の飲み過ぎ、または糖質の取り過ぎがあります。特に、過酸化脂質の食品(冷凍食品・油で揚げたスナック菓子・インスタントラーメン・串カツなどの揚げ物)を多く食べる現代人は、体内で多くの活性酸素が発生します。

 

異物の攻撃して殺してくれる意味では、活性酸素は体にとっては必須な物質です。しかし、それが増え過ぎると正常な細胞まで攻撃してしまい、自己免疫疾患などを発症する場合があります。

 

 増えた活性酸素が攻撃する箇所は、人によって違う
上記したように、活性酸素が大量に発生することがおこった場合でも、病気の発生する場所は人によって違います。例えば、活性酸素の攻撃で目が悪くなる人がいれば、頭髪が禿げてしまう人もいます。また、関節炎になる人もいます。

 

このような違いが生じるのは、体外から侵入してきたウイルスや化学物質、または体内に常在している細菌や毒素は、その人の弱い臓器・器官に溜まるからです。

 

その弱い箇所に存在する異物を、顆粒球が活性酸素を用いて攻撃します。その攻撃は正常細胞にまで及びます。ようするに、異物が溜まる場所が人によって違うので、病気が発症する場所に違いが生じるのです。

 

異物を攻撃する際に用いる活性酸素により、攻撃を受けた正常細胞は傷つきます。細胞が傷つくということは「細胞の中に存在する遺伝子(DNA)が傷つく」ということを理解してください。

 

遺伝子(DNA)が傷ついてしまうと、細胞の修復・復元能力が低下してしまいます。病気とは、細胞が正常に復元できない状態であると認識してください。

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