肝機能によるタンパク質合成能力が、細胞の復元に影響を及ぼす

 

我々の体はタンパク質からできている


タンパク質がいくつも集まり、細胞を形成します。筋肉がタンパク質からできているというのは有名ですが、皮膚や爪もタンパク質からできています。また、全長10万キロにも及ぶ血管や内臓もタンパク質からできています。

 

また、細胞が損傷した際には、DNAに組み込まれた設計図に沿って細胞を修復していきます。この修復方法とは、遺伝情報を元に、損傷した細胞に必要なタンパク質を運ぶことで細胞が修復されます。

 

つまり、人の体は、体内で合成されるタンパク質からできているといっても過言ではありません。

 

このタンパク質は、アミノ酸を材料に体内で合成されます。そのアミノ酸は20種類あり、このうち体内で12種類が合成されますが、残り8種類は、必須アミノ酸といって食物から摂取する必要があります。

 

食物から摂取した必須アミノ酸と、体内で合成されたアミノ酸は、肝臓の働きにより、人体に必要なタンパク質に造り変えていきます。

 

いわゆるタンパク質というのは、肉や大豆のタンパク質、そのままの状態を表すのではありません。食べたタンパク質を消化作用によりアミノ酸にまで分解し、肝臓の働きで「体に必要なタンパク質」へと再構築しているのです。

 

人によって発症する病気が違うのは、アミノ酸から人体に必要なタンパク質を再構築する能力が遺伝によって違うからです。

 

 

タンパク質の合成能力が遺伝する


人の細胞は1年ですべて入れ替わります。細胞を新しく復元するためには、細胞の材料であるたんぱく質が必要不可欠です。その原因の1つに、タンパク質の合成能力が大きく関係してきます。

 

哺乳類や爬虫類または、鳥類など全ての生き物は、食事をしなければ生命維持ができません。ここでは、人間が食事したときに食べた物がどのようにして吸収されたんぱく質が合成されるのかを説明していきます。

 

 @食べた物は歯で噛み砕かれ、唾液と混ざり合って胃に運ばれる

 

 A胃に運ばれた食物は胃酸によりさらに細かく分解される

 

 B次に十二指腸に到達した食物は、膵臓と胆嚢から分泌される消化酵素でさらに分解される

 

 C上記のBで細かく分解された食物は、小腸でアミノ酸にまで分解されて、吸収される

 

 D小腸で吸収されたアミノ酸は、血液により肝臓に運ばれる

 

 E運ばれてきたアミノ酸を材料に、肝臓は体に必要な固有タンパク質を造る。このことを代謝という

 

 F小腸で吸収されなかった物質は大腸に到達し、その一部は吸収され大部分は「便」として排出される

 

上記の消化プロセスにプラスして、代謝を活性化するには、呼吸による酸素が不可欠になります。

 

人は、食物を食べ、このような消化作業をおこなっています。この作業の目的は、人が生きていく上で必須な栄養素である「タンパク質」を獲得するためです。

 

このように、細胞を作るために必要なタンパク質ですが、意外な物の材料にもタンパク質が使われています。例えば、人の生命維持には欠かせない物質に「ホルモン」や、赤血球や白血球などにふくまれる「血球成分」、または異物(抗原)に反応し抗原抗体反応を起こす「抗体」もタンパク質からできています。

 

 

たんぱく質の合成能力を向上させるのは難しい


人の体内には、数万種類のタンパク質があり、その総数は天文学的な数となります。例えば、1個の細胞の中には、約80億個のたんぱく質があります。そのタンパク質のうち2〜3%が毎日、新しいものに入れ替わっているといわれています。

 

このように、体に必須なたんぱく質を、人は食事や体内での代謝を利用して合成しています。その合成力は上述したように、肝臓がキーマンになっています。

 

私は、長い経験から「肝臓の機能を回復させること」が重要だと考えています。この肝臓機能は、遺伝による強さ・弱さがある他に、体内の異物や化学物質の処理、過剰な糖質の処理、またはホルモンの材料であるコレステロールの合成など、休む暇なく働き続け疲弊しています。

 

この疲弊した肝臓を回復させることが、体に必要なタンパク質の合成能力をあげることになります。

 

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