アトピー性皮膚炎と遺伝子の関係
アトピー性皮膚炎の原因は何なのか
アトピー性皮膚炎の原因は母体から胎児への体内毒素の移行説や、化学物質や食品添加物、または、ワクチン接種後の反作用など様々な説があります。
上記したようなことでアトピー性皮膚炎を発症するのなら、現代人の大多数の人がアトピー性皮膚炎を発症してもおかしくないはずです。
私は多くのアトピー性皮膚炎の患者さんを診てきて、遺伝子が関与しているのではないかと思っています。
なぜなら、アトピー性皮膚炎を患っている患者さんに「親や親せきにアトピー性皮膚炎を患っている方がいますか?」と問診した場合、85%以上の方が「います」と答えるからです。
科学的にもアトピー性皮膚炎を発症している人は、染色体の11番目にアトピー発症に関与する遺伝子に異常があるということが発見されたり、2006年にはフィラグリン(FLG)の機能の変異がアトピー性皮膚炎のリスクを大きく上げると報告されています。
川本が考えるアトピー性皮膚炎を発症する遺伝とは
ここで川本が自分の経験からひも解くアトピー性皮膚炎と遺伝子の関係をまとめます
・細胞からでる毒素:
細胞は酸素や栄養素、または電子を利用してタンパク質とエネルギーを生産しています。細胞がエネルギー生産を行う際に、お土産として必ず「排気ガス(毒素)」が出ます。
その排気ガス(毒素)を活性酸素と呼ぶと簡単なのですが、私はその排気ガス(毒素)に個人差があるのではないかと考えています。
つまり、エネルギー生産時に発生する排気ガス(毒素)が、白髪を誘発する排気ガス(毒素)、目を悪くする排気ガス(毒素)、関節炎を誘発する排気ガス(毒素)など、遺伝子によって生産される排気ガス(毒素)に種類があるのではないかということです。
そのことから推測すると、アトピー性皮膚炎を発症する人の排気ガス(毒素)は、肝臓→腎臓ルートの解毒システムが通用しない排気ガス(毒素)であると思われます。
一般的な解毒は肝臓で解毒し、無毒化したものを尿や便から排出するルート。もう1つは、皮膚からの排出ルートがあります。
つまり、アトピー性皮膚炎を発症させる排気ガス(毒素)は、肝臓→尿・便ルートでは対応できない毒素であると私は思っています。
肝臓→尿・便ルートが機能しないことで皮膚からの排出になります。肝臓が処理できない大量の毒素が皮膚に集まることで皮膚の排出システムは崩壊します。
・遺伝子が変異し異種タンパクの生産:
生命体には自分独自の「情報」が生まれもって組み込まれています。例えば、爪が剥がれてもまた同じ形の爪がはえてきたり、髪の毛を切っても同じ髪質の髪がはえてくるのは、その人に備わった遺伝情報のおかげです。
成人になると幼少期のように細胞内でのエネルギー生産量は減ってきます。そのことでエネルギー生産時に発生する排気ガス(毒素)も減り、アトピー性皮膚炎は終息に向かうはずです。
しかし、成人になっても皮膚が乾燥し皮膚がポロポロ剥がれたり、初期のアトピー性皮膚炎の症状ではない皮膚の状態が続きます。
細胞からの排気ガス(毒素)量が減っているのに、皮膚疾患が改善しないのは他にも原因があるのではないかと考えても不思議ではありません。
そこで2006年に発表された「フィラグリン(FLG)の機能の変異と慢性皮膚疾患の関係」が私の悩みのヒントになりました。
ここでフィラグリン(FLG)とはなどのような働きをしているのかをまとめます。
@細胞はプロフィラグリン(FLG)を元にプロフィラグリンという物質を分泌している
Aプロフィラグリンは、「フィラグリン蛋白」となり表皮におけるバリア機能と保湿機能に非常に重要な役割を担っている
Bフィラグリン (FLG)からフィラグリン蛋白に代謝する際の遺伝子の働きがうまくいかないことでバリア機能が崩壊する
上記したように、表皮に必須であるフィラグリン蛋白を代謝させる遺伝子が、正常に機能しないことで慢性的な皮膚疾患の原因の1つといえます。
上述してきたように、アトピー性皮膚炎の発症理由は染色体異常や細胞内で生産されるたんぱく質の代謝異常が関係していると思われます。
ただし、実際にアトピー性皮膚炎の発症原因は、一つの遺伝子だけが関っているわけではなく、そこにストレスや病気、または食生活をはじめとする生活習慣が引き金となって発症します。
つまり、アトピー性疾患の発症には遺伝子が発症の引き金になり、そこに掻きむしることや薬の使用などの外的要因が付加されることで長期化してしまいます。
数年前から、厚生労働省や文部科学省に研究班が設置され、アトピー性疾患の遺伝子解析と治療の研究が進められています。
アトピー性疾患の遺伝子治療は、現在、研究段階にあると思われますが、最先端の研究において画期的な結果が得られていることを期待します。
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