皮膚炎に対する疑問
体内から何が皮膚にでてくるのか
ここでいう皮膚炎は、虫刺されや漆にかぶれるような皮膚炎ではなく、アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)のことを指します。
アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬を患う人が共通して思っていることがあります。それは、「この痒みの原因は体内のどこで作られ、どのような物質なのか」ということです。
皮膚炎を発症した人は、「食べ物が悪い」と決めつけられることが多いです。しかし、一般的には近所のスーパーなどで購入したもので料理して食べます。皮膚炎を患っている人だけが特殊な物を食べているということは考えにくいです。
例えば兄弟であっても、一方が皮膚炎でもう一方は皮膚炎でないケースがよくあります。兄弟は親が作った同じ料理を食べていますが、皮膚炎になる人とならない人があるのが不思議です。
乳児アトピー性皮膚炎は母親の体毒が原因と言われている
乳児のアトピー性皮膚炎は、母親の喫煙や過食などの生活習慣の乱れや環境汚染、または食品添加物の蓄積により、母親の体内にある体毒が乳児に移行したという説があります。
ようするに、母体から移行した体毒を乳児が処理する過程で、皮膚から毒素を排出することで皮膚炎を発症するといわれています。
しかし私は多くの患者さんを診てきて、上記したことに疑問があります。例えば、環境汚染や食品添加物などは現代に生きる人全てに蓄積されているはずです。
また、喫煙も飲酒もせずに化粧品や洗剤にも気をつかっている母親の子供が、アトピー性皮膚炎を発症するケースが少なくありません。
それとは逆に、妊娠中にもかかわらず、禁煙や禁酒をせず、髪の毛を染めたりしている人が産んだ子供に皮膚炎がない場合が多くあります。
このように、何が原因で母体の体毒が増え、どのような体質のお子さんが乳児アトピー性皮膚炎を発症するのかは未だに解明されていません。
小・中学生の性皮膚炎は、何が影響しているのか
乳児アトピー性皮膚炎の発症原因は、母体が保有していた毒素が胎児に移行し、その毒素を体外に排出している可能性は否定はできません。
それでは、母親の保有していた体毒は、いったい何年かければ全てを体外に排出できるのでしょうか?
小・中学性の皮膚炎が長期化するということは、「母体が保有する毒素は何十年もの期間を有しないと排出できないのか」と考えらされます。
したがって、小・中学生が患う皮膚炎の原因は、母体から胎児に移行した毒素以外にシックハウスや食品アレルギーなどの影響が考えられます。
中国人はアトピー性皮膚炎を患う人が少ない
仕事の縁で、中国の医学博士の李剛(リゴウ)先生と知り合い情報交換をしています。李剛(リゴウ)先生は中国と日本を股にかけて活躍されています。
私は、日本人と中国人の発症する病気の違いについて興味があり、李剛(リゴウ)先生にそのことをよく質問します。
そのなかで皮膚炎について聞くと興味深い返答を得ることができました。その返答とは、「中国人にはアトピー性皮膚炎や尋常性乾癬を患う人がとても少ない(2015年の話)」というものです。
失礼な言い方ですが、日本より中国の方が環境汚染はひどく、また衛生面でも劣っているはずです。しかし、その中国にアトピー性皮膚炎や尋常性乾癬を患う人が少ないことにとても不思議さを感じます。
李剛(リゴウ)先生にその理由を聞くと、「乳児期に発症する軽い風邪症状などに対し、日本はすぐに病院を受診し抗生物質により症状を止めようとするいわゆる医療過誤が1つの「原因」とおっしゃられます。
確かに日本は、乳幼児の医療費を免除している都道府県が多いことで安易に医療機関を受診します。しかし、そのことが皮膚炎の発症原因に関係しているとは日本では語られません。
李剛(リゴウ)先生のような日本と中国の両国を比較できる立場にいることで知りえる貴重な情報です。
成人になってから発症する皮膚炎もある
幼少期は軽いアレルギー症状を持つ程度の人が、成人になって皮膚炎を発症する場合があります。このような後天的に発症する皮膚炎の原因も特定できてはいません。
世間では、「歯の治療に使用した金属が原因である」という人がいます。しかし、歯の治療を受けている人数と皮膚炎を発症していいる人の数が一致しません。
また、喫煙や飲酒、肉の食べ過ぎや仕事による過労などストレスが悪いといわれますが、上述してきたように皮膚炎を患っている人だけが特別な生活をしているわけではありません。
老年期になると、アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬のような症状は発症しにくい
一般的に考えると子供よりも長年生きている老人のほうが、化学物質や食品添加物などは体内に蓄積されているはずです。また、喫煙や飲酒なども長期間に及びます。
そのことから考えると、年を重ねていくほど化学物質や食品添加物、または喫煙や飲酒などの影響を多く受けるはずです。また、内臓機能も低下してくることで体内で増える体毒の処理能力が低下し、皮膚炎を発症しそうなものです。
60歳を過ぎてからの皮膚炎は、乾燥による冬季皮膚炎や腎臓機能などの低下により体外に排出できなかった体毒が下腿(ふくらはぎ)から皮膚にでることで痒くなる老人性皮膚湿疹という症状は増えます。
しかし、60歳代以上の人にアトピー性皮膚炎や尋常性乾癬を患う人の数は急激に減少します。
子供にはアトピー性皮膚炎や尋常性乾癬を患う人が多く、60歳代になると急激にその症状が減少することへ私は不思議さを感じます。
アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬の原因は内臓が関与しているのではないのか
アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬などの皮膚炎を患った人の多くは、「内臓が関係しているのでないか?」と考える人が多くいます。その思いで内科を受診しても内科医は検査や触診をすることもなく、皮膚科に行くように言われます。
しかし、一般的な皮膚科を受診すると「アトピー性皮膚炎ですね」、「尋常性乾癬ですね」と分かりきった病名をいわれ、塗り薬を処方されるだけのことが多いです。
したがって、アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬を患う人は、「何科を受診すればよいのか」という疑問を持つようになります。
上述してきたように、皮膚炎の発症のメカニズムは理解できない不思議なことばかりです。しかし、その多くの不思議に皮膚炎の発症メカニズムが隠されているのではないかと私は考えています。
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