皮膚炎の人の皮膚が「ポロポロ」剥がれる理由

 

慢性のアトピー性皮膚炎の人の皮膚が定着しない


慢性のアトピー性皮膚炎を患っている人が、疑問に思っていることがあります。

 

その疑問は、患部に新しい皮膚ができてきたのに、その皮膚が定着せずに「ポロポロ」と剥がれてしまうのか? ということです。

 

慢性のアトピー性皮膚炎を患っている人は、患部を掻きむしることで、皮膚が損傷します。また、皮膚表層の血管に血液が大量に流れ込むことで、いわゆる「霜焼け」現象が起き、皮膚が損傷します。

 

本来、人間に備わっている機能は、損傷した皮膚を元に復元します。しかし、不思議なことに新しい皮膚ができ、患部を治そうとしますがその皮膚は定着しません。

 

 

皮膚は28日周期で入れ替わる


一般的に皮膚の新陳代謝の期間は28日といわれています。つまり、28日かけて古い皮膚を剥がし新しくしていきます。

 

ここで、1つの仮設を述べます。

 

例えば、新しい皮膚が作られて10日目に痒い箇所を掻きむしったとします。掻きむしることで皮膚は損傷します。

 

上述したように、皮膚の新陳代謝は28日です。28日で入れ替わる皮膚を、10日目に掻きむしったことで普通よりも18日間、早く修復作業をしなければなりません

 

体は、損傷した皮膚を修復しようとしますが、18日間も前倒しで修復することで、「皮膚になる材料が不足」しています。

 

皮膚の材料が不足した状態で患部を修復すると、脳はその皮膚を「自分の皮膚」とは認めません。つまり、自分のDNAとは違う皮膚が構築されたと判断します。

 

患部に自分のDNAとは違う皮膚ができてくると、生体はその皮膚を「非自己」とみなし排除しようとします。

 

そのことは臓器移植の手術を受けた人の症状に著名にでます。臓器移植は他人の臓器が自身の体に移植されることで、その臓器を「非自己」として認知し免疫システムは移植した臓器を攻撃します。

 

その免疫システムの働きを抑制する薬が「免疫抑制剤」です。

 

 

自分の皮膚しか宿れない


人の生命維持の根幹は遺伝子(DNA)です。生命体は遺伝子の情報を元にあらゆる部位を再生しています。

 

つまり、骨も皮膚も爪も一定周期で壊して再生しています。そのことができるのは遺伝情報があるからです。

 

上述したように、傷ついた皮膚を早く修復しますが、皮膚の材料が不足した状態では、その皮膚を「自己とは認めず非自己」と判断されます

 

その精細な遺伝情報があだになり、材料不足の状態で再生した皮膚は「非自己」とみなされます。非自己と判断された皮膚は、免疫の作用で排除されます。

 

したがって、ようやく宿ったと思ったはずの皮膚が宿らず「ポロポロ」と剥がれていきます。

 

 

痒みを止めないといけない


上記したような状態になると、皮膚の材料を補うことで問題が解決するのではと考えてます。しかし、本質は痒みを止めることです。

 

なぜなら、患部を掻いて皮膚を傷つけてしまうことを繰り返すことで、皮膚を修復する材料が不足するからです。

 

アトピー性皮膚炎の痒みの原因は年齢・性別によって異なります。そこがアトピー性皮膚炎を治すのを難しくさせています。

 

例えば幼児の痒みの原因は、母体から移行した化学物質や予防接種によるアレルギー反応があります。思春期の子供は細胞分裂が活発です。その際に発生する体内毒素や血液ガスが痒みの原因であったりします。

 

また、成人の慢性のアトピー性皮膚炎の痒みの原因は、ステロイド外用薬を使ったことで血管が硬く、柔軟性が乏しくなります。その柔軟性の乏しい血管に大量の体液が流れ込むことで摩擦が生じ痒くなります。

 

そのようにアトピー性皮膚炎は、年代・性別によって発症理由が違います。その対処法については今後、同サイト内で述べていきます。

 

今回、述べてきたことを纏めます。

 

 @痒みで掻きむしった皮膚が傷つく

 

 A損傷した皮膚を治そうとするが、皮膚を修復する材料が足らない

 

 B「A」のことで、自分の皮膚とは似ているが少し違う皮膚が再生される

 

 C自分の皮膚とは違う皮膚が再生されることで、脳(DNA)はそれを「非自己」と認定する

 

 D「C」で述べたように、非自己と認定された皮膚は宿ることができない

 

 E「D」で述べたように、自己と認められなかった皮膚は「ポロポロ」と剥がれる

 

慢性の皮膚炎を患っている方はなぜ、再生されかけた皮膚が宿らないのか疑問をもっている人が多くいます。

 

その理由は上述してきたことで少しは理解して頂けたかと思います。

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