「自分力」を高める
人は自分自身の固有信号を持っている
生命の誕生は精子と卵子が結びついた時から始まります。その受精卵という1つの細胞が何度も分裂を繰り返し、ある細胞は髪の毛を構成する細胞になったり、また、ある細胞は血管を構成する細胞になったりします。
上記したように、各パーツを構成する細胞が、人体には約60兆個あるといわれています。この60兆個もある細胞ですが、最初はたった1つの細胞から分化していることに生命の神秘を感じます。
生命の誕生は、精子と卵子が結合した瞬間から始まります。精子と卵子が結合する時に全く新たな信号(生命信号)が発生します。それはあたかも宇宙で起こるビックバンのような現象と似ています。
受精時に発せられた信号は、一人一人「固有の信号」であり、その固有信号が、全ての細胞を統率することで体内で起こる精妙な働きを可能にしています。
例えば私の信号は「川本信号」であり、私固有の信号です。この信号が自身の細胞に、「川本だよー、しっかり働けよー」「そこの細胞乱れているよ、軌道修正するんだよー」と伝えているのです。
生命信号が存在する
上記した固有の信号は、「生命信号」といいます。動物や植物全てに備わっている信号です。その信号は「生がある時」は測定することができます。しかし、生命が亡くなるとこの生命信号を測定することはできません。
生命信号(固有の信号)とDNAは同じではないかと思われがちですが、DNAは生き物が生命を失った後でも鑑定することが可能です。しかし上述したように、生命信号は生命を失った状態では測定することはできません。
したがって、ここでいう「生命信号(固有の信号)」はDNAとは違う信号であると私は解釈しています。
固有の信号を乱されると病気になる
先天的な病気を除くと、幼少期は病気になる確率はかなり低いです。この理由は、幼少の頃の性格は天真爛漫で個性的です。いわゆる、自分自身の発する信号で行動しています。
しかし弟や妹ができると、自分固有の信号(個性的な行動)に従って行動すると親に叱れるようになります。生れてから数年間は、自分の固有の信号を発してこれたのに、兄弟ができたことで自分の信号を抑えるように、親の躾の方針が変わります。
そのことで、長男・長女はおう吐や腹痛などを発症するようになります。そのような症状を医学的に「自家中毒」といいます。
次に、小・中学校になると学校の校則や先生、または友人に合わせて行動するように強いられます。しかし、この年頃の子が発する信号は個性が強く、また人の考えに対し容易に同調しません。
したがって、個性の強い信号同士がぶつかることで喧嘩が頻繁におきます。そのことで、この年齢の子供を指して「多感な時期」といいます。この時期に、強い信号を持つ人とぶつかり、自分の信号が屈した場合、その子供が体調不良になったり、現実逃避をしたりします。
会社は団体スポーツ経験者を好む
就職したら上司の厳しい教育(上司の固有の信号)や取引先のクレームなどで自身の信号は大きく乱されます。そこで会社は、社員を雇う際に団体スポーツを経験してきた人を好む傾向があります。
なぜなら、団体スポーツ経験者は、自分のシグナルを全面的には出しながらも、メンバー1人、1人のシグナルを寛容する訓練ができているからです。
つまり、団体スポーツで経験してきたことが実社会の形態と似ているからです。
一方、勉強だけをしてきた人や個人競技をしてきた人は、自分のシグナルを全面的に出すタイプが多いです。つまり個人主義ということです。
したがって、個人主義の人は自身のシグナルを全面的に出す一方、多くの人のシグナルを寛容する訓練ができていないことで、就職という団体生活に馴染めず体調不良になりやすい傾向にあります。
つまり、人は他人の信号を感じ、それに合わせることで成長したと評されます。しかし反面、自身の固有の信号を抑えたり、抑えられたりすることで固有信号に狂いが生じ体調不良になります。
したがって、自分の信号を全面的に出し、好き勝手に生きれれば病気になりにくいともいえます。しかし、好き勝手に生きる人と生活するパートナーは、自分の信号を抑制されることで病気になります。
サッカー選手、本田圭佑選手を見習う
固有の信号が強い人の代表にサッカー選手の本田圭佑選手がいます。彼が放つ信号は人を威圧するほど強いです。しかし本田選手は強い信号を放つだけでなく、チームと協調する努力をしています。
つまり現代社会を生き抜くには、個人を高める努力をし自分の信号(個性)の質を高め、一方では人と協調していかねばなりません。
引きこもりなどの症状になる人は、自分の信号(個性)を高める努力をしないで、「世間が自分を理解してくれない」ということを主張する人です。最近はそのような人が増えています。
しかし、多くの経験を積んだ人からすれば、レベルの低い信号は個性ではなく、「ただの我がまま」と判断されます。
自分の出す信号が、ただの「我がまま」と判断された人は、自分の信号が否定されたことで精神的なダメージを受け脳シグナルが乱れ体に異変が生じます。
つまり病気になりやすい人は、自分と合わない信号を出す人に合わせていくことができず、反発して生活している人が多いです。
ようするに病気とは、固有の信号が否定されることで発症するのです。したがって、日々、努力を重ね人格的に成長し、自身が発する信号のレベルを上げなければなりません。
そのことで、他人様が認めてくれる信号を発せれるようになります。そうすると、自分の信号が容認されたと思うことで否定的な感情が薄まり、病気になる可能性も減ります。
耳の遠い老人は長生きである
他人に対し、気遣いのできる人の事を「気配りができる人」と例えらます。その人は、「人の発信する信号を感じとる能力が高く、その信号に合わせることができる人」ということです。
しかし、そのような人は自分の信号を抑える機会が多いことで病気になりやすいです。
一方、耳の聞こえない老人は長生きすると言われています。その理由は、耳が聞こえないことで、他人の出す信号に左右されることが少ないからです。
つまり、人の発する信号が気にならないことで、自身の信号を人に擦り合わせる必要がありません。そのことで自身の信号を全面的に発し生活できることで、耳の遠い人は高齢ながら健康で生活している人が多いです。
信号の乱れをなくすことが健康の秘訣である
現代医療は症状のみを抑えるための手術や薬を処方します。また、昨今、服用する人が増えているサプリメンがあります。しかし、それらの手法はあくまで「物質の力」に頼った対処療法であり、根本療法ではありません。
現代医療が著しい進歩を遂げている中、病気は増える一方です。なぜそのようなことになるのか? その原因の1つは「固有の信号を乱される」という心理面の影響が病気をつくっているという認識が少ないからです。
私は患者さんに対し、「自身の個性(信号)を高める努力して下さい。そして、個性(信号)に自信がついてくると、周りの人の考えを容認することができます。そのことができれば病気は回復していきます」と伝えています。
なぜ病気になるのか? その原因は多岐に及びます。その一つに、「自分の発する信号が乱れる、または乱される」ということがあります。そこで私は乱れた信号を元に戻すためにどうしたら良いのかを考えています。
自身の信号が乱れると病気になる。この理論を「信号理論」といいます。この理論はいままでには無かった理論です。
そのような新たな理論に対しては否定的な意見もありますが、現代医療を駆使しても病気は増加の一途です。その背景に、「固有の信号が乱れることで発症する病気が増えている」ことを医療従事者や患者さんも認識する必要性があるのではないかと私は思います。