認知症になると病気は改善する
高齢者は、何らかの不調を持っている
年をとると体が不調になるのはしかたありません。そのことを理解しない多くの高齢者は、病院に検査を依頼し、体の悪い個所をみつけてもらおうとします。
つまり、病気探しをしています。そして、血液検査結果で少しでも正常範囲から外れると不安になり薬を服用し、数値を正常に戻そうとします。
その結果、多くの薬が処方され、それを素直に服用する人が多くいます。しかし、それはあくまで症状を止めたに過ぎず、病気を治したとはいえません。
しかし現代医学は、病気の影響で発症した症状を止めようとします。また、患者さんも症状を止めてほしいと思っている人が多くいます。
そのことで、病院はいつも患者さんで溢れかえっています。
高齢者は「死にとらわれる」
現代は情報社会です。特に病気の情報は、テレビや雑誌から毎日目にします。そのことで病気を克服するための糸口を得る人がいる半面、健康不安に陥る人も多くいます。
現代人が発症する病気の原因の多くに、「脳」が関係しています。ストレスや情報過多により脳が不安になります、そのことで脳から発せられるシグナルに狂いが生じることで体は不調になるからです。
特に高齢者は「死」への恐怖があります。そのことで、病気に対しさらに過敏になります。そのことで、脳(精神)が不安になり不眠症になったり、動悸がしたりします。
そのような症状が出ると、不安症の高齢者は、また病院に行き症状を医師に伝えます。その症状を聞いた医師は症状を止めるための薬を処方します。
そのように、症状に敏感に反応してしまう理由は「死への恐怖心」があるからです。
認知症になると病気が治る
老人介護施設の勤務医は、入所してきた認知症の方を診察しているなかで、不思議な現象を目にするといいます。その不思議な現象をまとめます。
@認知症を発症する前は多種の薬を服用していた
A家族から「薬による延命治療をやめてほしい」との依頼を受け、薬の処方・服用を中止する
B多種の薬の服用を止めているのに関わらず、血液検査データーが改善したり血圧の数値が改善したりする
本来なら、長年服用してきた薬を止めると病気が悪化しそうなものです。しかし、多くの認知症患者さんが薬の服用を止めているにも関わらず、症状が悪化しなかったり、改善するケースがあるそうです。
そのようになる理由をまとめます。
@認知症になると、日々入ってくる情報を受け入れなくなる
A「@」のことで精神不安がなくなる
B認知症になると「死の恐怖」がなくなる
C認知症になると、金欲や人間関係などから解放される
上記したことで脳シグナルを乱す要素が減り、脳シグナルが安定することで体のシステムが正常に働くのではないかと推測されます。
つまり、五欲煩悩や人間関係、または死の恐怖に「とらわれて」いたことで、脳シグナルが乱れ、そのことで病気を発症していたといえます。
そのことから考えると、一般の方が病気を発症した場合も症状を止めるだけではなく、「脳シグナルと病気の関係性にもっと着目すべきではないか」と私は考えます。
お坊さんの生き方を考える
お坊さんは元気な方が多く、実際にガンを発症する方は少ないといわれています。
お坊さんが元気で生活できる理由の1つに、「俗世間の情報に反応しないための修行をしている」点があります。
世の中の雑音を取り込まないことで、自身の信号が乱されにくくなります。また、出家することで人間関係や金欲も断ちます。そのことで人間の脳シグナルを乱す原因を排除できます。
人の脳シグナルを乱す三大原因をまとめます。
@親子や会社での身近な人との人間関係
A金欲や物欲
B過度な情報
上記したことで、脳シグナルが乱され体の精妙なシステムに狂いが生じます。
仏教では長年の経験からそのことを悟り、修行をしているともいえます。
病気が発症する原因は脳にあった
認知症を発症する前は、多くの病気があり多種の薬を服用していた高齢者が、認知症を発症すると薬の服用を止めても病気が悪化しなかったり、改善したりすることはお伝えしました。
そのようになる背景に、「脳が何かにとらわれている」ことがあります。
現代に生きる人は多くのことに「とらわれ」て生きています。そのことで病気が発症しているともいえます。しかし、病気を発症した際、脳や心の問題はないがしろにされ、症状のみを止めるための治療をします。
認知症を発症した人が薬の服用を止めたにも関わらず、病気が悪化しなかったり、改善したりすることを「不思議な現象」として終わるのではなく、医療界が「脳と病気の関係性」について考えてほしいと節に思います。