クローン病、確実に改善方向に向かっています。
西宮の川本治療所です。現在、私が運営するサイト「病気の治療所」で、メルマガ登録して頂いた方に動画をお届けしています。ご興味のある方は、登録して川本療法の「基礎」を動画で学んでください。
(注)改善報告を掲載させて頂いていますが、川本療法で改善したわけではありません。
川本療法の考えの根幹である「自宅ケア」を患者さん自身、または家族の協力によって、継続努力したことで改善したと考えています。
医師や治療家は病気を治すことはできません。ただ、改善方向に導くための「道しるべ」をお伝えすることはできます。
今後も精進し、良い「道しるべ」を提案できるように努力していきたいと思います。
さて、今日の話は難病・クローン病が改善方向に向かっているという内容です。
クローン病とは小腸や大腸に原因不明の炎症が起きる病気です。原因は不明とされています。
クローン病の症状が進行すると腸の部分切除のOPEが必要になったり、厳しい食事制限を強いられます。
Hさん 当時39歳 女性
まずは頂いたHさんのメールを紹介します。(H様には了解を得ています。)
[お問合せ内容]
2015年 秋
川本先生
先程電話連絡しましたHと申します。
先生のHP、ブログを日々拝読しております。
24日のの診察治療をお願いしたいと思います。
現在39歳。
クローン病歴14年。小腸大腸型。
手術歴2回(2007年、2012年)
病院での標準治療が合わず、困っています。
先生のお力添えを頂けないかと思います。
宜しくお願い申し上げます。
このようなメールを頂きました。
次にHさんの症状や服用している薬などのメールを頂きました。
遅くなりましたが今度の受診の前に、こちらの状況をお伝えしておきます。
クローン病歴14年
現在39歳 女性 体重は発病前と同じ
● 既往症
2歳半~12歳 小児喘息、アトピー性皮膚炎(現在も)
減感作療法、度々抗生剤使用、気管支拡張剤、喘散(漢方薬と思われる)アトピーに対してはステロイド外用薬。
喘息は完治。
2001年クローン病発病 軽度
2004年頃~食事制限が出来ず徐々に悪化し入院。→絶食治療で回復。これを度々繰り返す。
2007年大腸部分切除
2012年11月小腸狭窄拡張術、大腸部分切除
2013年1月~2014年5月ヒュミラ
2013年9月~現在 プレドニン20mg~0mg増減あり
2014年6月~2015年7月レミケード
●現在の症状
軽い腹痛。
腹部膨満感。
軟便気味。
倦怠感。
朝起きられない。
貧血気味。
悪化時の精神的な落ち込み方が酷い。
アトピー性皮膚炎。
小腸に病変がある(2012年の手術時には既に病変があったが、術後に内科的に治す予定で狭窄のみ解消し、お腹を閉じたが今
も病変が残っている)
内科的な治療が芳しくないので再手術を勧められているが、手術する程の症状ではないので、先延ばしにしている。
●病院からの処方薬
ペンタサ3000mg/日(発病以来服用)
プレドニン5mg/日(2013年9月より。増減あり)
ネキシウムカプセル20mg/日(2013年9月より。プレドニンと併用)
レンドルミンD錠0.25mgの1/2~1/4錠
(2013年10月より。夜間鼻注に伴い服用。最近鼻注にも慣れて来たので減薬中)
エレンタール5包(1,500kcal)/日(発病以来服用。2007年時の手術以降3包。2011年以降4 包。
2013年10月以降夜間鼻注ができるようになり5 包。)
●サプリメント等
ミヤリサン
ビタミンB、C
ビオチン
鉄(病院処方のフェロミアは腹痛が出るので市販のサプリ)
EPA
青黛(最近飲み始めました。)
亜麻仁油
●相談内容
2012年の手術以降、バイオ製剤のヒュミラ、レミケードを使用しましたがリンパ球減少、
投与後の四肢のしびれ等の副作用があらわれ、また何よりも全く効果がみられなかった為に
今年の7月の投与を最後にバイオ製剤は中止になりました。
昔ながらの栄養療法とステロイドでごまかしながらやっていきましょうということになりました。
なかなか治療が難しいタイプのようで、先生も少しお手上げ状態です。
ちなみに現在の病院の先生に対して最大限の治療して頂いているので、特に不満もありませんし、手術もして頂いているので尊敬と感
謝の念はたえません。
たまたま私が病院の標準治療が合わなかったという認識でおります。
2012年の手術以降栄養療法はかなり徹底していましたし、経腸栄養剤のエレンタールも増量し
2013年の10月からは夜間鼻注も毎晩休まず続けています。
そのお陰で体重体力は以前より増えたように思うので、その点では一定の効果はあったように思いますが、
最後の砦であったレミケードが効いていないこと、真面目に取り組んでいるはずの栄養療法では今ひとつ持ちこたえられないこと、
プレドニンが減薬しきれないこと等、途方に暮れています。
悪化時や肉体的に大変な時は絶食とエレンタールでなんとか対処するようにしていますが、
ここぞという時に悪化してしまったり、なかなか上手くコントロール出来ず、予定が立てづらく、周りに迷惑を掛けてしまったりもします。
また、やはりエレンタールのみでは、炎症は治まるが体力が付かないので食べられるときは出来るだけ食べるようにしています。
しかし、いわゆるお粥、うどん類を中心としたクローン病食に疑問を持つようになってきました。
また最近では糖質の害も言われていますが、エレンタールには大量の糖質(320g/日)が含まれており、それも気になります。
一年程前に自分で遅延型食物アレルギー検査をしたところ、意外にも肉魚の反応が低く、
乳製品、小麦が中程度、その他野菜、穀物類、玉子、イースト菌、醸造菌、に高い反応が出たので、
それに基づき鶏卵、大豆製品、米、一部の野菜を止め、うどん等の麺類は外食で仕方なくという時のみに。
反対に鶏肉、魚類、チーズを徐々に増やしました。
お腹の張りや腹痛が消え調子が良かったのですが、同時にプレドニンも服用しているのでそのお陰かもしれず効果は不明です。
実際プレドニン減薬に伴い、腹痛等の症状が出てきました。
それ迄はエレンタールを主食に、僅かにおかゆ、豆腐、たまご、うどん、にゅうめん、しらす、トマトジュース、大根、人参に火を通
したもの等いわゆる低残渣食を摂っていました。
乳製品、肉(特に牛豚)は発病以来食べていませんでした。
絶食で炎症が治まるので、食物の何かが合わないのだと思うのですが色んな情報があり過ぎて、どのように食べたら良いのか分からなくなってきました。
先生の少し前のブログにも記載があったように糖質制限とクローン病食は相反します。
過去に漢方薬(最近、新たに青黛を服用しはじめましたが)や鍼灸、整体協会での自己整体も試しましたが、全く効果がありません
でした。
幼い頃からステロイドや抗生剤を使っていたので、腸内細菌も副腎も免疫機能もおかしいのだろうと様々な情報に触れる中で感じています。
昔から日本茶が好きなのでカフェインの摂り過ぎかとか、心配性で取り越し苦労が多いのでそういうのが良くないのかとか、出来るだ
けリラックスできるように、腰を温めたり、足裏を夫に揉んでもらったりしていますが、ちょっと精神的に不安なことがあると体調を崩しがちです。
ストレスはあって当たり前、悩み事がない人もいないと思うのですが、身体が思うように動かない分、頭ばかり使い過ぎて疲れるのかもと
今文字にしていて思いました。
病歴が長過ぎ、積年の思いがあり過ぎて、なかなか文章としてまとまらず、申し訳ございません。
それでは24日、宜しくお願い致します。
Hさんは、医師の指示通り頑張ってきましたが2回のOPEをした後でも、今までの治療、投薬、食事法に対し新たな提案が無かったことから現行の治療に疑問を持たれたようです。
Hさんのように、難病の患者さんの努力にには頭が下がります。
しかし、その努力が身を結ばないケースが多くあります。
引き続きHさんから頂いたメール
川本先生
こんばんは。Hです。お世話になっております。28日宜しくお願い致します。時間はどちらでも構いません。
提案して頂いていたサプリも試しいてみたいと思います。
症状としては、腹痛、軟便傾向だが普通便が増えた、不眠傾向(鼻注をしている限り眠りにくいので、早くこれを止めたいです)、
全身のアトピー。
お陰様で疲れ易さはかなり軽減されました。
11月上旬に奈良に一泊旅行に行きました。
帰路はさすがに疲れましたが、おおむね順調に動けたと思います。
11/6の病院の血液検査ではヘモグロビン値が長い間9.9だったのが10.5に回復しました。
CRPや便検査の値は微増でした。
プレドニンは5mgから4mgに減薬しました。
エレンタールを5袋⇒4袋⇒3袋と減らしレバーや鶏胸肉を増やしています。
今まで皮は食べないようにしていたのですが、食べても良いものでしょうか?
レバーはビタミンAの過剰摂取になるから毎日は食べてはダメという情報を得たのですが、そのあたりはどうなのでしょう?
現在は一日80g~100gくらいを二日食べて、一日休むようにしています。(買い物の関係でもありますが)
自己指圧はほぼ毎日行っています。温圧はとても気持ちがいいです。
ふたコブの器具はやはり痛いときがあるので、すすめて頂いたゴム球も併用しています。
自己指圧法ですが、試行錯誤をしています。気持ちが良いとはあんまり感じないので、次回今一度やり方を教えて下さい。
宜しくお願い致します。
Hさんが一番変えられたのは「食事法」です。お粥や麺類、さらに野菜を減らし、タンパク質中心にチェンジしたことです。一般的なクローン病の食事とはほぼ真逆なことをチョイスされました。
なぜなら、今まで長期間おこなってきた食事法では、これ以上の変化が望めないと判断したからでしょう。
引き続き、メールを紹介します
川本先生
遅ればせながら、今年も何卒宜しくお願い致します。
お陰様で体調の良い日が続いています。
お腹の張りも痛みも全くなく、疲労感もかなり軽減されたように思います。
先日病院に行ったのですがヘモグロビン値が正常になりました。
他の赤血球の値もまだまだ低いものの改善してきました。
CRPも0.2と正常値になりました。
便検査のカルプロテクチン値が前回53⇒今回66と微増(50以下が正常)なのが気になりますが
概ね良好です。
プレドニンを4mg→3mgに減薬しました。
気になるのは便の状態です。今まで全般に軟便気味だったのが
年末あたりから逆に三日に一度程度の便秘気味になり
固くなって出すのが大変で浣腸のお世話になったこともありました。
今も2~3日に一度出る程度です。
アトピーは相変わらず酷い状態です。
Hさんは川本療法の1つである「自己指圧」をほぼ毎日して頂きました。そのことで、ヒスタミン反応が安定しました。
ヒスタミンが過剰だと、外部からの刺激や体内の細菌・ウイルスの増加に過敏に反応してしいます。
その反応が安定したことはとても大切な要因です
引き続き、メールを掲載します。
先生のお陰でとても元気になりました!
と申し上げたいのはやまやまなのですが、
残念ながら月曜日辺りから、じわじわ腹痛が続いています。
今月頭の生理痛を引き金にクローン病の腹痛がじわじわ出て来ていたのですが、
ちょうど、先週の治療の前後は腹痛が治まっていたので持ちこたえたかと思っておりました。
悪化の要因ではと思う事
○治療の時に言っていたカステラの小麦なのか(昨年10月末の初回治療時にご指導頂いてから、実に久々にまとまった量の小麦
を食べたように思います。)
○眠剤を減らして、余り眠れない日があったりした事なのか(諦めて元の量に戻してしっかり寝るようにしました)
○4/15からプレドニンを3mg→2mgに減らした事なのか(昨年も2mgに減らしたあたりから少しずつクローンの症状やアトピーが悪化していきました。
今回は先生のお陰で貧血も栄養状態も劇的に回復したので乗り越えられる気がしていたのですが、、、)
○季節的なことなのか(この時期毎年しんどい上に忙しくてダウンします。今年は腹痛はありますがそれ以外は元気ですし体力はあり
ます。)
などなど色々書いたところで
病気の事を考えてもあまり身体に良くない気がするので、自己指圧等やれる事をやって乗り切りたいと思います。
メールにあるように、人は回復してくると気の緩みがでます。しかし、それは致し方ないことです。Hさんが悪いわけではなく、誰もが通る道です。
しかし一旦、体調不良になると、脳は自分の一番弱い箇所を治そうと、細胞修復物質を大量に送り込みます。
そのことで患部に痛みや腫れなどが表れ、あたかも悪くなったかと感じてしまいます。
自分力が向上すると、心や体に何かがあっても、過去の病巣に対して過剰に反応しなくなります。
川本先生
こんばんは。 お世話になっております。
経過報告です。
先月の治療の際に教えて頂いた寝入り易くする方法を試してみました。
寝入り易くはなるのですが、台を外す際に目覚めてしまうのでもう少し試行錯誤してみます。
眠剤を減らそうとして、減らすとやっぱり眠れなくて、中途半端な時間に追加して、朝起きられなくて、という悪循環も有ると思うのですが、、、
先月治療後、微妙な腹痛も無くなったので、
今月から毎朝一包飲んでいたエレンタールも止めてみました。
止めた分のカロリーを食べ物で補うのは辛いので(長年の摂食で食欲がないというか分からない)オイルを多めに摂取することで対応
していたのですが先週辺りから更に痩せてしまい、度々意識が遠のき、筋肉も落ち始めて動けなくなり、
あきらめてエレンタール一包を再開し、無事少し体重も体調も戻りました。
もう少し体重を増やしてから再チャレンジしてみます。
病院で血液検査をしました。
お陰様で殆どの項目で前回よりも更に良くなっていました。
過去に見た事の無い数値です。
肝心の便検査が出来なかったので、手放しでは喜べませんが、どんどん良くなって来ていて嬉しいです。
2年半前から使っていた、2月から止めている夜間鼻注のポンプも病院に返却しました。
ステロイドも2mm→1mmに減らしました。
このまま順調に減らせると良いのですが、、、
最近の経過はこのような感じです。
Hさんは、25歳という若さでクローン病を発症、2度のOPEも経験、長年、一般的には「常識」といわれている治療を行ってきました。
その方法に一定の評価を感じつつ、一方、限界も感じておられました。
そこで、メールを頂き、私とHさんとで施術しながら色々と話をして、お互いの信頼関係を構築していくことで新たな治療の方向性が徐々に決まっていきました。
また、Hさんの努力により血液などの検査が改善方向に向かった際に、減薬を認めて頂いた医師にも感謝です。
クローン病は難病です。今回はHさん自身の努力と、関係している医療従事者との協力がうまくかみ合った例と認識しています。
お知らせです 。今日のブログに書いた内容が「病気の治療所」の「虐待と副腎の関係」の欄で詳しく述べていますので参考にしてください。
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