汗をかくのが下手。甲状腺機能と暑熱順化(しょねつじゅんか)
昭和11年開院 川本治療所の川本です。 現在、WEB上で「病気の治療所」という健康情報を発信・更新しています。1が月で15万人以上が訪れる健康情報です。一度、ご覧ください。
■今後の予定
9月30日 アドレナルセラピー「もっと人へ」5回目(募集終了)
10月 2・3・4名 名古屋施術 終了
10月12・13日 東京施術 1名募集中
■体温調節は2種類ある
体温調節は大きく2つの方法で行われている。
①皮膚の血流を増やし空気中に放射する
②汗をかくことで、汗が気化するときに熱が奪われて体温が下がる
上記した方法で人は体温を調整しています。
■子どもは運動時に顔が赤くなる理由
子どもは汗かき。。。と思いこんでしまっています。
実際は、子どもは「②」を使った体温調節が下手で、「①」の放射に頼っているそうです。
したがって、顔の皮膚の血流が増えるために、顔が赤くなるのですね。
しかし、気温が35度を超えると、放射が出来ず、逆に熱を取り込んでしまうので熱中症になる可能性が高くなります。
子どもが汗っかきという認識は捨てたほうがいいようです。
中央大学の松本孝明教授によると、子どもは1つの汗腺から出る汗量が少ない。
特に、運動時などは、大人のようにうまく発汗できない。と述べています。
こうした発汗機能は、思春期ごろに発達する。したがって、汗をかく力は幼少期に育つ訳ではない。と。
■汗腺の数は、幼少期の環境で決まる! という説はどうなのか?
「汗腺の数と幼少期の環境」の関係を説いたのは、「汗の話」の著者 故・久野寧(やす)名古屋大学名誉教授です。
寒い国の子どもの汗腺は少なく、暑い国の汗腺は多い。環境によって汗腺が働く数が決まる。
したがって、幼少期のエアコンは控えるように。。。。。と説きました。
一方、上述した松本教授は室内でエアコン漬けでも、通学や体育の授業、遊びの時間に汗をかくことで、
暑熱順化は起きる」と。
暑熱順化(しょねつじゅんか)とは:徐々に体を熱さに順応させることや方法
松本教授によると、子どもの場合、暑い中で1日に1~2時間、数日~2週間で暑熱順化(しょねつじゅんか)の効果がある。と。
したがって、エアコンが悪いとはいえないと述べています。
■暑熱順化(しょねつじゅんか)大人の方へ
さて大人はどうすればいいのか?
大阪国際大学の井上芳光教授によると、5~6月の暑すぎない時期から、1~2週間、やや「暑い環境」で「ややきつい」と感じる運動を進めています。
私(川本)は患者さんには、
初期:4~5月の涼しい時期からはじめ「アスファルトは避けて、きつくないペースでウオーキングする」
中期:6~8月の時期は「アスファルトは避け、日傘を利用して少しずつペースをあげてウオーキングする」
このように指導しています。
■甲状腺機能の異常が背景にある
熱がこもる、発汗が下手など体温調節ができない人は、上述してきた運動療法だけではうまくいかない場合があります。
そのような人は子どもであれ大人であれ「甲状腺機能」に問題がある場合があります。
甲状腺機能の異常が血液検査で出ないレベルの人でも熱がごもる、発汗が下手などの症状がでることは少なくありません。
甲状腺の働きの1つに、代謝機能を高めることがあります。そのことで発汗も一つの代謝ですので、
その働きが低下していることが推測できます。
夕方に疲労感が出て、夕食後に少し楽になるのは副腎疲労症候群、夕食後も疲労が継続する人は、甲状腺機能異常が考えられます。
運動療法などで暑熱順化(しょねつじゅんか)が回復しない場合は一度、甲状腺の機能異常も視野に入れることが必要です。
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