故・佐藤章夫先生のブログ「臨床栄養士のひとり言」より「銅とPMSの関係」の解説
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■故・佐藤章夫先生のブログ「臨床栄養士のひとり言」は医療従事者のバイブルブログといえます。
生前、佐藤氏は「自分の知識はあの世にはもって行けないから、知識を全てオープンにして一人でも多くの人に役だててほしい」ということを口癖のように話していました。
しかし、問題もあります。佐藤氏の知識レベルと一般人とでは「レベル差」がありすぎて、理解するのに解説書が必要なことが多かったからです。
私もその一人で、佐藤氏のブログを理解できないまま読んでいたことが多くあります。しかし、その内容はまさに「国の財産」ともいえます。したがって、佐藤氏が残したブログを「少しでも分かりやすく解説していけたらなぁ」っと思います。
■さて今日は、佐藤章夫先生のブログ「臨床栄養士のひとり言」より「銅とPMSの関係」を解説していきます。
http://nutmed.exblog.jp/22525250/
「本文」
そろそろ12月の気配を感じるこの時期、風邪の予防方法が話題に上る時期でもあります。アメリカやカナダでは40年ほど前から、11月の感謝祭のころになると、薬局には風の予防のための亜鉛トローチや亜鉛サプリメントが、ビタミンCとともに店先に並美ます。
日本でも10年くらい前から、風邪の予防に亜鉛のサプリメントが注目されはじめています。
特に、受験生のお子さんを持つ親は、勝負の日に向けて風邪をひかせないようにあらゆる手段を講じますが、亜鉛のサプリメントやトローチもその1つだと思います。ネットを見ても雑誌でも、これからの季節は念に1度亜鉛が大注目の季節になります。
しかーし、亜鉛をサプリメントで摂る場合には注意をしなければならないポイントがあります。特に、女性が亜鉛を集中して摂る場合、銅とのバランスを確認する必要があります。
「川本談」
ストレスの多い生活をしている人は亜鉛が不足する傾向があります。そのことで亜鉛のサプリメントを服用する人が多くいます。しかし、亜鉛のみを摂取することのリスクを佐藤氏は述べています。
「本文」
特に、生理周期にあり、エストロゲンホルモンとプロゲステロンホルモンの生産量が、平常時よりも格段に増える排卵前の状態にある場合には、体内の銅の需要レベルは一気に上昇するため、亜鉛が不用意に過剰になることで、銅の吸収が低下、排泄促進によって、銅の不足欠乏を招くことにもなります。
「川本談」
亜鉛を過剰摂取することで、銅の不足を招くのですね。生前、佐藤氏は亜鉛のサプリメントを服用する場合は銅も摂取することを推奨していました。
銅を多く含む食品は牛レバー・蝦蛄(しゃこ)・ホタルイカ・さくらえび・イカの塩辛・ウナギがあります。ご覧のように動物性の食材に多く含まれています。
「本文」
PMS(月経前症候群)の症状があり、定期的に婦人科にかかっている女性は、
一度血液検査で「セルロプラスミン」という、銅とタンパク質が結合した、ホルモンの生産や副腎、甲状腺の機能、爪や毛髪のケラチンの合成、重金属の体外排泄などに重要な「機能活性のある銅」のレベルを検査してみるといいです。
「川本談」
銅は単体ではなく、タンパク質と結合し初めて「銅、本来の働き」が起こるのですね。
その「機能活性した銅」を調べるには「セルロプラスミン」の検査が有効ということです。
例えば、タンパク質(セルロプラスミン)と結合できずに浮遊した銅は体内では仕事ができず、肝臓内に蓄積されていき、やがて血液中に溢れてしまい脳や角膜、または腎臓などに蓄積していきます。それが難病のウイルソン病です。
「本文」
その活性した銅を、自分の体内の銅の状態が生理によってどれほど影響を受け、PMSなどの症状にもかかわっていて、それをどのようにコントロールすればいいかの手がかりを理解しておくことは有効だと思います。
PMSの症状を持っている女性で精神的症状、たとえば、うつ様症状、イライラ、集中力の低下には、神経伝達物質の生産を刺激する作用を持つ銅の不足、ストレス耐性低下にかかわるマグネシウムとカリウムの不足が背景にあるケースがすくなくないという報告があります。
「川本談」
セルロプラスミンの働きは肝臓が大きく関係しているそうです。銅やマグネシウムなどのサプリメントを摂取してもPMSの症状が思うように改善しない場合は、肝臓機能の向上にも目を向ける必要性があります。
肝臓の事は「病気の治療所」のこのページ を参考にしてください。