腸より胃のほうが大事な理由

 腸より胃が大事である
世間では、「腸が一番大切な臓器である」というキャッチコピーが溢れています。その影響で、多くの人が発酵食品や食物繊維を多く摂取しています。

 

そのことで、病気が良くなった方はいいですが、腸へのアプローチをしているにも関わらず、多くの方は体調不良から脱出できていません。

 

その理由について、私はに問題があると考えています。つまり、「胃が弱いと、いくら良い食材を摂取しても、体に必要な形にまで分解できない」からです。

 

 日本人と胃弱の関係
日本人は欧米人などに比べ、胃で分泌される消化酵素が弱いのではないかと私は推測しています。

 

人種的に弱いことに加え、食習慣がさらに胃弱に追い打ちをかけます。そのことをまとめます。

 

 @日本では、麺類など「あっさり」した食材が胃に負担をかけないと信じきっている

 

 A麺類やカレーライスなど、噛まないで食べる食材(デンプン類)を胃は消化しにくい

 

 B「A」のことを裏付けるように、餅を食べ過ぎると胸やけを起こしたり、素麺を食べると腹が張ったりする

 

上記したように、デンプン類を多く摂取した際に、「胸やけ」や「胃もたれ」または「お腹の張り」を感じる人が多くいます。一方、焼き鳥や豚しゃぶを食べても胸やけや胃もたれなどは起きにくいです。

 

デンプン類で胃の不調が起き、タンパク質を食べても胃の不調が起きないにも関わらず、「胃にやさしい食材=あっさりしたもの」ということが脳に刷り込まれています。

 

それは、長年、日本政府(幕府)が昔から、日本人の主食は「米(小麦)である」と洗脳してきたことが影響しているのでではないかと私は思っています。

 

 胃弱とは、胃酸の量が少ないのではない
一般的に胃弱といえば、「胃酸の量が少ない状態」であると思われています。また、胸やけや逆流性食道炎などを発症している人も「胃弱」といわれますが、このタイプは「胃酸が多すぎる状態」であると思われています。

 

つまり、一般的には胃酸が少ない、または胃酸が出過ぎる症状を総して「胃弱」といわれています。

 

しかし、真の胃弱とは「胃酸の多い少ないではなく、胃酸のPHはきちんと酸性になっていない状態」をいいます。

 

つまり、胃酸の生産は十分であっても、食事直後の胃酸の酸度(pH)が十分酸性(pHが0.8〜1,2)でない人が、真の胃弱なのです。

 

一般的な病気以外にも、最近日本でも増えつつある「慢性疲労症候群」や「リウマチ」「うつ病」の発症する原因の背景に、胃酸の生産能力やpHの酸性度が弱まっていることが深くかかわっていると私は考えています。

 

 タンパク質からアミノ酸が作られる経路 
食事で摂取したタンパク質は、胃で生産される消化酵素(ペプシン)の働きで、ペプトンに分解されます。 ペプトンとは「アミノ酸とタンパク質の中間の状態の物質」であり、そのペプトンが小腸に到達すると消化酵素(ペプチターゼ)により、アミノ酸に分解されますす。

 

ここで重要なのは、胃酸のpHです。胃酸のpHが0,8〜1,2の強酸性でないと、胃酸の刺激で生産される消化酵素の分泌量が低下します。

 

つまり、胃酸のpHがアルカリ性に偏っていると、上記したようにタンパク質をペプトンにまで分解することができません。未完成なペプトンは小腸から吸収されることがなく、大腸に運ばれてしまいます。

 

日本人は元々、胃酸のpHが強酸性ではない人が多く、そのことで上述したように「あっさり」した麺類やパンなどを多く食べます。その反面、タンパク質や脂質は控える人が多いことで、タンパク質が不足傾向にあります。

 

 人にはアミノ酸が必要である
人の体を構成している、約60兆個の細胞とその働きに不可欠な物質があります。それはアミノ酸です。

 

私たちが肉、魚、穀物などを食べると消化の作用で20種類のアミノ酸に分解され、私たちのカラダの中で再び、タンパク質、すなわち体の各部分を構成するための「タンパク質」に組み換えられます。

 

つまりアミノ酸は、タンパク質を胃酸で分解することで生産される物質です。

 

しかし、胃酸のpH(pH0,8〜1,2)がアルカリに偏っていると、動物性・植物性を問わず、タンパク質の消化が十分におこなわれず、質の良いアミノ酸が作られません。

 

人の保有する60兆の細胞や遺伝子情報であるDNAもアミノ酸から作られています。DNAの材料がアミノ酸であるということは、アミノ酸は全ての生命の源といえます。

 

一般的には、腸が生命維持の源であるといわれています。しかし上述してきたように、腸に必要な物質を作り出しているのは胃の消化作用です。

 

腸の改善ばかりに気をとられていますが、今一度、胃の重要性を再認識してください。

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