行き場のないコレステロール

 行き場のないコレステロール
人がストレスや病気と闘うにはホルモンが必要です。このホルモンの材料は、肝臓が合成するコレステロールです。またコレステロールは、脳の栄養や細胞膜の材料として使われます。また10万キロにもおよぶ血管の壁や胆汁の材料としても使われています。

 

病気やストレスと闘っている人は、多くのホルモンが必要となります。なぜなら、人はストレスを回避するために必須な物質はホルモンだからです。そのホルモンの材料は肝臓が造るコレステロールです。ストレスに対応するために、肝臓はホルモンの材料であるコレステロールを通常より多く生産しなければなりません。

 

そのことから考えると病気やストレスと闘っているい人は、ホルモンの材料が多く必要となるため、コレステロールが不足しそうなものです。しかし、病気の人やストレスと闘っている人を血液検査すると、血液中のコレステロールの値が高いことが多いです。

 

なぜこのような結果がでるのでしょうか? 私は次のように考えています。

 

 肝臓疲労:コレステロールを造る肝臓が毎日、コレステロールの製造に追われて疲労している

 

 材料不足:日本では、コレステロールは「悪」としていて、コレステロールを多く含む食品を制限している

 

上記のことが原因で、肝臓で合成されるコレステロールの質が低下します。そのような質の悪いコレステロールは、細胞が受け入れを拒否してしまいます。

 

このような質の低下したコレステロールのことを、私は「B級品コレステロール」と説明しています。当然ながら肝臓は、「質の良いコレステロール」も造っています。しかし肝臓は、毎日のコレステロールの製造で疲弊しています。そうなると除々に、質の悪いコレステロールの造られる割合が高くなってきます。

 

このようなB級品コレステロールを細胞は受け取りません。そうなるとB級品のコレステロールは、血液中に余ってしまいます。その時に、血液検査をすると「血液中のコレステロールの値が高い」と判断されます

 

 質の悪い物質は要らない
コレステロール以外でも、「質が低下した状態の物質は細胞に届かない」という例は、糖尿病をみてもわかります。

 

糖尿病とは、血液中に「糖が多くなる」病気です。

 

血液中にある糖の量を調整している物質が「インスリンホルモン」です。このインスリンホルモンは膵臓で造られますが、様々な原因で膵臓が疲弊してきますと、インスリンホルモンの「質が低下」してきます。

 

ここでインスリンホルモンの働きを簡単に説明します。

 

 1、インスリンホルモンは、血液中の「糖」と結びつき、細胞に糖を届ける

 

 2、血液中の糖が細胞内へ取り込まれるため、血糖値は下がる

 

このような作用で血液中の糖の量は調整されています。

 

では糖尿病の人はなぜ、血液中の糖の量の調節が出来なくなるのでしょうか? それは、前述の通り、膵臓が造るインスリンホルモンの質が低下してしまったからと私は考えています。

 

いわゆる「B級品のインスリンホルモン」のできる割合が増えてきた状態になります。B級品のインシスリンホルモンが運んできた糖を、細胞は「質が悪いので、細胞では使えない」と判断し、糖の受け取りを拒否します。

 

受け取りを拒否された糖は、行き場を失って血液中に余ります。このような状態を「高血糖症」(こうけっとうしょう)といい、いわゆる糖尿病になります。

 

ようするに細胞の膜は、質の悪い物質を受け取らないようなバリア機能を備えています。細胞はその機能を使い、「上質の物質は取込み、質の悪い物質の受け入れは拒否」をしています。

 

 コレステロールが全身にいきわった訳ではない
日本の医療機関では、血液中のコレステロールの値が高い人の治療に、薬を使ったりコレステロールを多く含む食材の制限をしたりします。このような指導をする背景には、コレステロールが細胞全てにいきわたり、血液中に余っていると解釈していると推測されます。

 

ここで日本の医療機関と私の考えの違いを纏めてみます。

 

 日本の医療機関の考え:

 

 1、肝臓で造られたコレステロールが必要な細胞全てにいきわたっている

 

 2、そのことにより血液中にコレステロールが余り、そのコレステロールが血管の内壁に蓄積される

 

 3、蓄積されたコレステロールは、動脈硬化を起こす可能性が高まる要因になると考えられる

 

 4、よって、血液中のコレステロールの値を、薬で下げたたり、食事を指導したりする

 

 私の考え:

 

 1、ストレスに対応するため、肝臓が造るコレステロールは足りていない

 

 2、肝臓が毎日のコレステロールの製造に追われ、疲弊してしまっている

 

 3、疲弊した肝臓は、質の低下したコレステロールを造る割合が多くなる

 

 4、質の悪いコレステロールは、細胞が利用できないので行き場がなくなる

 

 5、行き場のなくなったコレステロールは、血液中に余ってくる

 

このような違いがあります。

 

私の治療経験からみても、病気の人やストレスと闘っている人は、不思議に血液中のコレステロールの値が高い人が多いです。本来ならコレステロールが不足しそうなものです。それなのに血液中のコレステロールの値が高くなります。

 

このようになる1つの要因は、「コレステロールの質の低下することにより、細胞が受け取りを拒否しているために余る」という可能性もあるのではないのでしょうか。 

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